犬の関節の病気:膝蓋骨脱臼(パテラ)って?原因と今日からできる予防法

犬の関節の病気:膝蓋骨脱臼(パテラ)の原因と予防法

シーズーまろんの後ろ足がなんだかあやしい。歩くたびにカクッ、カクッとなっている。痛くて動けないということはなさそうなものの、関節があやしい。まさかとは思いましたが、やはり。まろんさん、動物病院で「膝蓋骨脱臼」の診断をいただきました。

 

目次

 

膝蓋骨脱臼とは

ドッグランw楽しむマルプーはる

 

脱臼とは関節が本来あるべき位置からずれる状態をいいます。膝蓋骨脱臼とは、膝の関節(膝蓋骨)が外れる状態のこと。人間でいうと「膝のお皿がはずれる」ということです。

おもな症状は、時々足をあげたり、スキップやケンケンのような歩き方、びっこをひいたりします。まろんの場合は明らかに膝が外れていると分かるような歩き方をしていました。重症になると足をついて歩くことができない、脱臼を繰り返すことによって靭帯が損傷したり、骨格が変形することによって全く歩くことができなくなることもあります。無症状のまま経過していて、ある日突然症状があらわれる、ということも多いようです。

ポメラニアン、トイプードル、ヨークシャーテリアマルチーズ、チワワなどの小型犬に多く、その場合は内方脱臼(後ろからみるとO脚に見える)が多い。ゴールデンレトリーバー、グレートピレニーズなどの大型犬やダックスでは、外方脱臼(後ろからみると膝が近く見える)が多い。膝蓋骨脱臼全体の20%程度は両方の足に認められます。

 

原因

先天性がほとんどであり、遺伝的な要因が強いともいわれています。先天性のものに加えて、環境的な要因(関節に負担をかける動作が多い、筋力の低下など)が発症の時期や症状の悪化に影響します。後天的なものは、高いところから落ちるなどの外傷性があります。

 

診断

獣医師による触診とレントゲン検査をします。骨格変形や骨関節炎の程度、他に併発している疾患がないかどうかを調べます。レントゲン検査の必要性は、すでにあらわれている症状や獣医師の触診の結果などから判断されると思います。

 

Singletonの重症度分類

グレードⅠ:膝蓋骨は手で押すと脱臼するが、手を離せば正常位に戻る。

グレードⅡ:膝蓋骨は膝を屈曲するか手で押せば脱臼し、膝を伸展するか手で押せば整復する。

グレードⅢ:膝蓋骨は常時脱臼したままで、手で押せば整復、手を離せば再脱臼する。

グレードⅣ:膝蓋骨は常時脱臼し、手で押しても整復されない。

 

外科的治療と内科的治療

根本的な治療法は外科的治療、つまり手術となります。しかし、膝蓋骨脱臼の診断すべてが手術の適応となるわけではありません。グレード(重症度)や発症年齢などから総合的に検討されます。手術をすれば生涯安心というわけでもありません。高齢なら手術というだけで体に負担をかけることになります。

もし、手術をしてもその後に正しいリハビリをしなければ、QOL(生活の質)が著しく低下することは容易に想像できます。信頼できる獣医師にしっかり話を聞いて方針を検討しましょう。

一方、内科的治療は関節の炎症を抑えたり、痛みを抑えたりといった対症療法がメインです。最近はレーザー治療を導入している病院もあるそうです!

 

今日からできる予防法

ドッグランを楽しむシーズーまろん

 

外科的・内科的治療のどちらも選択しても、悪化させないための工夫は必要です。もちろん現在症状が出ていなくても、愛犬の将来のために予防することが欠かせません。環境改善をして、発症や悪化を防ぎましょう。

なにはともあれ関節に過度な負担をかけない。すでに脱臼した関節だけじゃなく、ほかの関節にも負担をかけない。これが重要です。

具体的には、

  • ソファなどへの飛び乗りや飛び降りをさせない
  • フローリングは滑りやすいため、絨毯や滑り止めマットを敷く
  • 足裏の毛をこまめにカットする
  • 肥満にならないよう体重管理をする
  • 平坦な道を散歩するなどして筋力を維持する

内科的治療ともかさなりますが、

などがあげられます。

 

最後にひとこと...ふたこと、みこと

関節の病気と聞くと、もう年だからと思いがち。膝蓋骨脱臼や膝関節形成不全など、生後数ヶ月で診断されたという話も聞きます。遺伝的な要因が強いとなれば、「命の選別」にも影響を与えそうで嫌なのですが...少しの知識でもリスクはかなり減らせます。

今が大丈夫でもリスクは誰にでもあります。肥満になったことで関節の時限装置がセットされるとしたら...飼い主さんが喜んでくれるからジャンプしているとしたら...それは人間の責任です。

私もまろんが小さい頃は楽しんでジャンプさせていました。はるはソファに飛び乗ったり飛び降りたり、ジャンプ力を活かして自由自在に飛び跳ねています。かわいいだけじゃダメですよね...もし犬自身が楽しんでやっていたとしても、他に楽しいことはたくさんあります。

予防の観点から生活を見直すことで、いつまでも元気に走り回る姿がみられるかもしれません。

 

 

引用・参考

犬の膝蓋骨脱臼 | クルーズ動物病院

膝蓋骨内側脱臼 | YPC東京動物整形外科病院

膝蓋骨脱臼について | 小笠原動物病院